池田の英語学習理論

学習理論

池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。

言語学や脳の情報処理の観点から、

効果的に学習できる方法などをご紹介します。

まったく新しい英文法①

2013年10月3日

私の経験では、
英語にたいして苦手意識を持つことなしに、
実用英語の世界に入っていける人はごくわずかです。

 

その最大の原因のひとつが、”文法”です。

とくに、高校の文法でつまずく人がたくさんいます。

 

私が危うく英語嫌いになりかけたことはすでにお話ししたとおりです。
しかし、(恐ろしいことに)この傾向は、私の頃とほとんど変わっていません。

なぜでしょうか?

それは、使用されている文法とその練習方法がほとんど変わっていないからです。

しかし、科学などと同様、文法の研究も日々進化しています。

 

とくに20世紀末から21世紀にかけては

画期的な発想の転換が起こって、これまでとはまったく違う文法が現れています。

 

――― 「違う」というか、「真逆」なのです。

 

これまでの文法は、まず「英語には規則がある」というところから始まります。

 

ところが、その文法ではそうは考えません。

 

―――「規則は自然に現れる」というのです。

 

いきなりこう言われても、「???」ですが、なんだかドキドキするような考えだとは思いませんか。

自動詞と他動詞の区別

2013年9月25日

以前、私のブログで、私が高校生のときに英文法で「手痛い目にあった」と書きましたが、

具体的にどんな点に頭を悩ませたかをお話ししますと、そのひとつは「自動詞と他動詞」の区別でした。
今回は詳しい説明を避けますが、

散々頭を悩ませた末、ある日私は(自分的には)とんでもない「大発見」をしてしまったのです。

それは、“The sun rises in the east.”(太陽は東から上る)という自動詞の例文を見ているときのことでした。

自動詞についての解説とこの英文を交互に見ていて、あるとても単純な事に気づいたのです。

それは、自分がこの英文の意味を、はっきりと、クリアーに分かるということでした。

―――risesが「自動詞だ」と分からなくても。

 

つまり、

動詞の区別ができなくても英文が読めることに気付いたのです。

 

これは、当時の私にとっては、うれしくもあり、恐ろしくもある発見でした。

なぜ恐ろしかったかというと、それはもちろん、「文法をパスしていいんだという感覚」を(ほんの少しだけですが)体感したからです。

 

文法が分からないと英語はできるようにならない!

―――そう固く思い込んでいた(or思い込まされていた)当時の私にとっては、これは「禁断の感覚」でした。

このおかげで、少しは英語にたいする苦手意識が消え、なんとか英語嫌いにならずに済んだのです。

英文法は必要なのだろうか?

2013年9月24日

この記事は、英文法の学習で困っている人、

もしくは、自分の学びの体験から本当に英文法は必要なのだろうか?

と疑問に思っている人にたいして書いたものです。

 

文法が必要かどうかという議論は、もう100年以上も続いています。

いや、それは今も続いていて、“泥沼の状態”になっています。

 

世の中には、「文法は英語学習の基礎だ」というオーソドックスな考え方から(文法には触れずに)、

「コミュニケーション能力を身に付けるには英語を使った活動が大切だ」という主張、

また、学術の世界では、「文法はまったく不要だ」という考え方も現れています(これをコネクショニズムといいます)。
さて、私も高校生のときに英文法で手痛い目にあい、それ以来、

この点について30年以上にわたって研究をしてきましたが、

その結果たどり着いた結論は ---「文法は、基本的には必要ない」です。

“基本的には”という言葉を付けているのは、

「知っている方が知らないよりもベターとだ思われる点」がごくわずかあるからです。

 

今まさに文法に困っている人には、取りあえずこうアドバイスしておきます。

基本的な例文から初めて、「意味を日本語で確認する→英文を聴いて音読する」という

トレーニングを丁寧に何度も繰り返してください。

すると、「文法」と呼ばれているものは、無意識のうちに自然とあなたの頭に理解されていきます。

 

そして、じつは、このようにして学んだ英語こそが「使える英語」なのです。