池田の英語学習理論
池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。
言語学や脳の情報処理の観点から、
効果的に学習できる方法などをご紹介します。
池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。
言語学や脳の情報処理の観点から、
効果的に学習できる方法などをご紹介します。
2014年6月19日
この快挙で、単語の記憶にたいする恐怖が完全に吹き飛んだ。
そして、それと同時に強く思ったのである。
世の中には、きっと自分のように単語で苦労している人がたくさんいるはずだ、
なんとかこの方法を本に出して世に問うてみたい・・・と。
そこで私は出版社に手紙を書くことにしたが、
いざ方法について書くときになってとんでもない問題があることに気付いた。
それは、私が英文脈で快適に覚えることができたのは、
その当時、すでに英文をかなり快適に読める(=つかめる)読解力があったからだということに気付いたのだ。
TOEICでいうと800点ぐらいになろうか。
英文の意味がしっかりつかめないと、当然、文脈を利用した記憶などできるはずがない。
しかし、それ以外の選択肢というと・・・日本語しかなかった。
流石の私もここでひるんだ。
日本語を利用するということは、「日本語のストーリー」の中に「英単語を埋める」ということになる。
―――これは奇抜だ。きっとキワモノと見られる。
論理的にはどんなに正しくても、実際にどんなに効果があっても、
日本人というのは「見た目」や「形式」にこだわる。
そんなリスクを出版社が取るはずがない。
駄目か・・・私はあきらめかけた。
しかし、この奇抜な方法が非常に効果的な方法であることは、自分の中では明快だった。
そこで、駄目もとで企画書を書きあげ、サンプルをつけてある出版社に送ったのである。
すると・・・天の采配か、神の僥倖か、
私を担当した編集者が非常に先進的な人で、一目で気に入ってくれ、
東京本社に招かれたのである。
私の懸念をよそに、本は出版されるやたちまちベストセラーとなり、シリーズ化された。
インターネットはまだ生まれたばかりの頃だったが、好意的な書評がたくさん現れた。
実際、今でもこの本で人生が変わったという人に時折出会うことがある。
中には、高校の英語の先生や英語のプロになった人もいて、
悩んだ日々、試行錯誤をした日々が決して無駄ではなかったと、
大変うれしく、また有り難く思っている。
(★★声有り)
今でも、大学の方で実践しており、しっかりと勉強する学生は、
週にだいたい150語ぐらいを覚えてくる。
記憶にかかる時間を時折ヒアリングしているが、
大体60分~80分程度のようである。
これは、私が覚えたときのペースとほぼ同じだ。
★少し工夫を加えると、じつは1か月1500語ぐらいを無理なく覚えることができるようになる。
私の知る限り、これは「世界最強の単語記憶方法」である。
ぜひ近い将来に書籍またはネット教材として発表したいと思う。
2014年6月17日
その根拠は何かと言うと、答えは「映画」だった。
「映画」は長くても2時間ぐらいで終わる。
ところが、このたった2時間の間に
驚くべきほどたくさんのことを覚えていることに気付いたのである。
これはだれにでも経験のあることだと思う。
つぎに私が考えたのは、もちろん、どうしてこのようなギャップがあるかである。
―――いったい単語の記憶と映画の記憶とはどう違うのだろう?
答えは色々と考えられたが、私がもっとも重要だと思ったのは「ストーリーの流れ」、
つまり「文脈」だった。
映画はストーリーがきちっとあるからしっかりと記憶に残る。
単語と単語の間にはストーリーがないから残らない。
ここが肝だと直感した。
そこで、それまでの覚え方を180度変え、単語を文脈の中で覚える手法を試して見たのである。
具体的には、英字新聞の気に入った記事を切り抜いてノートに張り(★★現物が有ります)、
引出し線を入れて単語の意味を書いたのである。
―――この方法は、恐るべき威力を発揮した。
それまで1日10語も怪しかったのが、
30語前後を“快適”に覚えることができるようになったのである。
ノートを作るのに20分程度かかったが、
記憶にかかった時間は正味25分から30分程度であった。
さあ、そこから私の快進撃がはじまった。
それまでは週末のテストで落ちこぼれの悲哀を何度も感じていたのであるが、
あっという間にトップ集団に踊り出たのである。
ある時などは、一度講師の都合で授業が1回飛び、
2週間に500語を覚えることになったが、
2週間後に実施された小テストで10問中9問を正解し、クラスのトップになった。
つづく
2014年6月16日
私は大学を卒業後に通訳学校に通ったことがあったが、そのとき大変な目にあった。
“1日”に30-40語もの単語を覚えるハメになったのである。
1日に30-40語ということは、一週間で約250語、1か月に1000語となる。
これは破壊的だった。
当時の私は、1週間250語どころか、1か月250語も怪しい状態で、
入試に通ることができたのも100%“推測力”だったと断言できる。
そこにこの“単語の嵐”である。
数週間もすると、疲れ果て、止めようかと思い始めた。
しかし、当時のお金で半年に20万円近くの受講料を支払っていたのと、
ここであきらめると一生単語で悩むことになると思い、
グッとこらえて踏みとどまり、書店にいってあれやこれやと本を探し回った。
ところが、派手な宣伝をしている単語本はたくさんあったが、
どういうわけか私は思うように覚えることができなかった。
どの単語本も、大抵、はじめの30語~50語ぐらい覚えたところで
進歩が止まってしまうのである。
困り果てた私は、「こうなったら自分で考えよう」と思い立った。
しかし、どこから始めれば良いか・・・色々と思案していて、
ふと思ったのは、そもそも自分に「記憶力があるかどうか」だった。
我ながら、これは極めて論理的な発問だったと思う。
それまで色々な方法を試してダメだったのだから、記憶力自体が無い可能性もある。
そうなると、何をやってはダメだ。
さて、私に記憶力はあったのか。
答えは“YES!”だった。
単語の記憶で散々苦労しているのに、
もう自分でも驚くほど明快に、そう思えたのである。
その根拠は何かと言うと…
つづく