池田の英語学習理論
池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。
言語学や脳の情報処理の観点から、
効果的に学習できる方法などをご紹介します。
池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。
言語学や脳の情報処理の観点から、
効果的に学習できる方法などをご紹介します。
2016年3月14日
私たちの頭の中、つまり脳の中にはとても複雑なネットワークがあります。
そしては、それはスーパーコンピュータでも不可能な計算をやってのけます。
実際、専門の分野では脳と同等の能力を持つコンピュータを作ることは
不可能であると考えられています。
これはにわかには信じられない事かも知れません。
しかし、事実です。
さて、問題は、私たちの場合、このネットワークが
「日本語」によって形作られており、そのネットワークが私たちの考えや
気持ちの基盤となっているという点です。
つまり、何かを考えたり、感じたりするときには、
必ずこの巨大で複雑なネットワークが私たちの頭の中で働くのです(※)。
そのため、英語を英語で学ぼうとすると、とても効率が悪くなります。
なぜなら、それは複雑なネットワークを一から作ることに等しいからです。
しかも、実際のところは、英語を英語で学ぼうとしても、ほぼ100%、
そのバックグラウンドで日本語のネットワークが起動しています。
そうなると、無理に英語を英語で学ぼうとするよりも、日本語を利用して
意味をつかみ、その後に英語の練習をする方が効率的・効果的です。
つまり、英語だけで押し通すよりも、日本語のネットワークの上に、
英語のバーチャル・ネットワークを作っていく手法の方が
色々な意味で優れているのです。
(※)このため、日本語は「母語」(native language)と言われ、
「外国語」(foreign language)である英語とは区別されます。
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2016年2月10日
私の著書に「英語がスラスラ分かるようになる魔法の本」というものがあります。
この本は、私が提唱する「受信文法」についてその概要を書いたものですが、
その中で一か所、説明の仕方を変えると
より分かりやすいと思われる点がありますので、お知らせしたいと思います。
「受信文法」は、いわゆる学校文法といわれる文法よりもはるかに分かりやすく、
私はこの文法でたくさんの受験生や社会人を救ってきました。
上記の本も、はじめは少しとっつきにくいかも知れませんが、
丁寧に読み込んでいただくとその強烈なパワーを感じとっていただけると思います。
実際のところ、私は昨年、中学新2年生にたいして、この本に書かれている方法で、
進行形から動名詞、分詞構文、さらには独立分詞構文までを25分で解説しました。
流石に無理があるかと緊張しましたが、幸いにもたいへん好評で、
今年もアンコールがかかりました。
45分あれば、現在分詞の形容詞的用法や仮主語、
仮目的語といった関連事項も簡単にクリアーできますので、
一度試してみたいと考えています。
さて、本の中で変更したい点ですが、
25ページの一番下にある図と26ページの上にある図解。
この中では「句」という中途半端な言葉を使っていますが、
これをホワイトで消して、下のように書き直しておいて下さい。
さんざん頭を悩ませた末に選んだ言葉でしたが、こちらの方が分かりやすいと思います。
英語は、よくSVの言語といわれますが、これはその通りで、
これら4つのパターンだけで、ほぼすべて英文をごく簡単に理解することができます。
文法で困っている方はぜひご参考になさって下さい。
※核と説明を使うと5文型は不要になりますが、この考え方は
5文型とは矛盾はしませんので併用することは可能です。
◇主な著書
『こうすれば速く覚えられるTOEICテストの英単語』(日本実業出版社) 2010
『英語がスラスラ分かるようになる魔法の本』(日本実業出版社) 2009
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2015年8月28日
最後に、和文を利用して英単語を覚える方法の
注意点とコツについて述べておきます。
まず、和文の中に英単語を入れると、
言葉が多少ヘンになることがあります。
しかし、意味の流れさえしっかりとイメージできるのなら
何の問題もありません。
日本人は、こういった「やや不完全なもの」を嫌う傾向がありますが、
「不完全」→「完全」という流れが言葉の学習の本質で、
これを理解できていないがために英語力が伸びないのです。
今では、文法理論にさえ、この考え方が現れています。
つぎに、大切な点として、英単語は「自信を持って読めないと、
絶対に効果的に覚える事ができない」という点です。
ここは日本の英語教育の最大の弱点といっても良い点で、
「知ってるのに読めない」どころか、「書けるのに読めない」
という学習者がたくさんいます。
しかし、たとえば、あなたは自信を持って読めない漢字を
覚えることができますか?
この点については、今では、ネット上に正確な人工音声で
発音してくれる辞書があるので、それらを活用すると良いでしょう。
最後につづりについては、慌てることはまったくありません。
読みさえできていれば、あとは書く練習をするだけで
ほぼ機械的に覚えることができます。
読みが分かっていない場合には、この練習は地獄になりますが、
読みができ、意味も分かっていればとても楽しい練習になります。
ちなみに、和文を利用する方法は、turn on, turn out などの
群動詞や熟語と言われるものを覚えるのにも活用できます。
覚えることのできる速度も同じで、100~150語/週程度なら
簡単に覚えることができます。
この点については、また機会を改めて解説したいと思います。
参考: 「英単語こうすれば速く覚えられる」
「TOEICの英単語こうすれば速く覚えられる」
(いずれも日本実業出版社)
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