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池田和弘のブログです。
日常の出来事から英語の新たな発見などをお伝えいたします。
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日常の出来事から英語の新たな発見などをお伝えいたします。
2014年11月18日
我ながら馬鹿げたタイトルだと思います。しかし、これは私にとっては永遠の目標です。
人間は、だれしも、人生のどこかの時点で、“自分にとっての名曲“によって心を癒され、励まされることがあると思います。
音楽の持つ力は偉大であり、その波動は抗いがたい力をもって私たちの心に伝わります。
もし私に音楽を作る才能があったなら、もちろん、これほど英語教育にこだわり続けることはなかったでしょう。
たとえば、久石譲氏のような天才であったなら、縦横無尽に自分の才能を発揮し、数百万人、いや数千万人の人たちの心に世代を越えて伝えられていく名曲を、命の尽きるまで作り続けていたに決まっています。
だれだってそうでしょう。
そのときには、もちろん、ピアノの前か、数千人が見守る指揮台の上で死ぬことが理想になっていたに違いありません。
―――しかし、残念ながら、私にその才能はありませんでした。
人生の時が経ち、その事実が深々と理解されるにつけ、自分はlearner-friendly(学習者に優しい)を極限にまで究めて、出来る限り名曲に近づくしかないという想いがますます強くなる。
そう言えば、先日、何かの本でふと目にした衝撃的な一文が忘れられません。
―人間の到死率は100%であるー
私たちは、ここをすべての「原点」にするしか選択肢がないのです。
そんなわけで、今日もまた、学生たちを前に、レーザーで身を斬られるような心持で授業を展開したというわけです。
――― 彼らと私の間に、名曲のみが生み出し得る透徹した光の筋が、一瞬でも出現することを願って。
2014年11月11日
11月6日(木)に、大阪府主催の公開講座フェスタという催しで、講演を行いました。
演題は「英文法はどこまで必要か」―英文法シンプル化への挑戦―でした。
申し込み者は80名強で、参加率も80%を越え、担当者によるとかなり高い数字だということでした。
この講演で、私は公の場で初めて、
現在英語教育界で起こりつつある巨大な発想転換(パラダイム転換)についてお話しし、
私の開発した文法についてing形を例に出して説明しました。
ここでごく簡単に内容をご紹介しておくと、パラダイムの転換というのは、
「コンピュータ型の学習」から「脳型の学習」への転換と言う意味で、
これは情報理論的には、「直列処理」から「並列分散処理」への転換と言えます。
ちょうどタイミングの良いことに、この8月初旬にIBMが「脳型コンピューター」を開発したという記事が、
米国の科学誌「サイエンス」で発表され、大きな話題となりましたので、
このニュースを引用しながら具体性をもってお話しすることができました。
http://matome.naver.jp/odai/2140745860217712801
また、ing形については、
これまで「進行形・動名詞・分詞構文・分詞形容詞・補語・目的語・現在分詞の後置修飾」など
10前後もの文法項目として分類されていたところを、
新しい英語のとらえ方では「進行形」ぐらいしか必要がなくなるという点を、
実例をあげつつ、横断的に説明しました。
今回の講演は一般の人向けであるにもかかわらず、ある意味でとてもハードな、
理論的な解説も入れた内容でしたのでかなり心配していました。
しかし、いざフタを開けて見ると思いのほか盛り上がり、講演の後に活発な質疑応答が30分、
さらにその後も7人ほど熱心な方が会場に残って、私と30分ほど立ち話をするという展開となりました。
下に、講義の後に行ったアンケートの回答をいくつかご紹介します(ほぼ原文のままです)。
●素直に言葉に向き合う姿勢を学べた。何故「文法」が分からなかったのか全く理由がわからないままでいた。
今日、何故かという原因がわかりすっきりしています。
●説明が非常にわかりやすく、おもしろく拝聴しました。
●わかり易く納得・共感できる。過去何年かの公開講座フェスタの講座の中で最高。
簡単なことをわざわざ難しく説明する先生が多い中で、具体的・実践的で良い。
●教える事は「努力させる事、困らせる事」が私達昭和時代の教育でした。
先生の話しを聞くと、逆に「分からせる→安心し、好きになれる」と全く真逆であると感じました。
●英語学習の今までと構造の転換が興味深かったです。
英語にとどまらず、人間の脳についてなど新しい見方にふれ、有意義でした。「現代」を感じる講演でした。
他にも60近い回答をいただき、そのどれにもとても励まされましたが、とくに上の4つ目の感想は、
learner-friendly((学習者にやさしい)を追求してきた私にとっては、非常にうれしいものでした。
今このブログを読んで下さっているあなたにも、いつかご紹介できる日が来ることを楽しみにしています。
※英語にたいする人間の潜在的な能力は、これまでの 常識の2~3倍程度はあります。
ぜひ自分の可能性を信じて英語の学習を続けて下さい。
池田和弘
2014年9月12日
今は、オーストラリアに移動中です。
大阪観光大学の1年生と共に、ゴールドコーストへ行ってきます。
さて、私が英語教育にかかわってきた理由は3つあるように思います。
1つ目の理由は、私自身が高校時代に英語の勉強で砂を噛むような思いをしたことです。
文法が分からないし、単語を覚えることもできない。
懸命に努力しているのに、それが思うように成果に結びつかない。
「こんなのが教育であっていいはずがない、絶対に変えてやる!」
ストレートにそう思ったのです。
ここが、learner-friendly(学習者に優しい)の原点でした。
2つ目の理由は、言葉の学習のメカニズムを研究すること自体が非常に興味深かったということです。
言葉の学習方法については100年以上にわたって激しい議論と様々な試みが行われてきており、
現在もそれは続いています。
そんな分野で、独自の切り口を探し求めることがとてもエキサイティングに感じられたのです。
3つ目は、ごく単純に、国際語である英語が話せるようになりたいという思いでした。
世界中で色々な国の人が英語でコミュニケートしているのに、自分はほとんど英語が話せない。
これはとてもショッキングなことでした。
ネイティブスピーカーのようにはなれないかも知れない、
でもシンプルでロジカルな英語で勝負することなら可能なはずだ、そういう想いがあったのです。
この点ついては、松本道弘氏の影響をかなり受けており、
氏の提唱する「斬れる英語」(English that really works)には、今でも魅せられています。
英語の達人と言われている人はこの世にたくさんいますが、英語という言語の本質を、
インパクトを持って、シンボリックに説明できる点が氏の天才的なところです。