池田の英語学習理論

学習理論

池田和弘が、最先端のものを中心に、様々な英語理論を語ります。

言語学や脳の情報処理の観点から、

効果的に学習できる方法などをご紹介します。

1ヵ月1000語の英単語を覚える方法(2)

2014年6月17日

その根拠は何かと言うと、答えは「映画」だった。

 

「映画」は長くても2時間ぐらいで終わる。

ところが、このたった2時間の間に

驚くべきほどたくさんのことを覚えていることに気付いたのである。

 

これはだれにでも経験のあることだと思う。

 

つぎに私が考えたのは、もちろん、どうしてこのようなギャップがあるかである。

 

―――いったい単語の記憶と映画の記憶とはどう違うのだろう?

 

答えは色々と考えられたが、私がもっとも重要だと思ったのは「ストーリーの流れ」、

つまり「文脈」だった。

 

映画はストーリーがきちっとあるからしっかりと記憶に残る。

単語と単語の間にはストーリーがないから残らない。

 

ここが肝だと直感した。

 

そこで、それまでの覚え方を180度変え、単語を文脈の中で覚える手法を試して見たのである。

 

具体的には、英字新聞の気に入った記事を切り抜いてノートに張り(★★現物が有ります)、

引出し線を入れて単語の意味を書いたのである。

 

 

―――この方法は、恐るべき威力を発揮した。

 

それまで1日10語も怪しかったのが、

30語前後を“快適”に覚えることができるようになったのである。

ノートを作るのに20分程度かかったが、

記憶にかかった時間は正味25分から30分程度であった。

 

さあ、そこから私の快進撃がはじまった。

それまでは週末のテストで落ちこぼれの悲哀を何度も感じていたのであるが、

あっという間にトップ集団に踊り出たのである。

 

ある時などは、一度講師の都合で授業が1回飛び、

2週間に500語を覚えることになったが、

2週間後に実施された小テストで10問中9問を正解し、クラスのトップになった。

 

つづく

1ヵ月1000語の英単語を覚える方法(1)

2014年6月16日

私は大学を卒業後に通訳学校に通ったことがあったが、そのとき大変な目にあった。

“1日”に30-40語もの単語を覚えるハメになったのである。

 

1日に30-40語ということは、一週間で約250語、1か月に1000語となる。

 

これは破壊的だった。

 

当時の私は、1週間250語どころか、1か月250語も怪しい状態で、

入試に通ることができたのも100%“推測力”だったと断言できる。

 

そこにこの“単語の嵐”である。

数週間もすると、疲れ果て、止めようかと思い始めた。

 

しかし、当時のお金で半年に20万円近くの受講料を支払っていたのと、

ここであきらめると一生単語で悩むことになると思い、

グッとこらえて踏みとどまり、書店にいってあれやこれやと本を探し回った。

 

ところが、派手な宣伝をしている単語本はたくさんあったが、

どういうわけか私は思うように覚えることができなかった。

 

どの単語本も、大抵、はじめの30語~50語ぐらい覚えたところで

進歩が止まってしまうのである。

 

困り果てた私は、「こうなったら自分で考えよう」と思い立った。

 

しかし、どこから始めれば良いか・・・色々と思案していて、

ふと思ったのは、そもそも自分に「記憶力があるかどうか」だった。

 

我ながら、これは極めて論理的な発問だったと思う。

それまで色々な方法を試してダメだったのだから、記憶力自体が無い可能性もある。

そうなると、何をやってはダメだ。

 

さて、私に記憶力はあったのか。

 

答えは“YES!”だった。

 

単語の記憶で散々苦労しているのに、

もう自分でも驚くほど明快に、そう思えたのである。

 

その根拠は何かと言うと…

 

つづく

人間の脳の働きと、言葉の学習(1)

2014年6月15日

脳の働きと言語学習
脳の働きと言語学習

脳の働きと言語学習

 

 

 

 

一般にはあまり知られていないが、

人間の脳は(一般の)コンピュータとは異なった働きをしている。

何が違うかというと、情報の処理の仕方が違うのであるーーーそれも、根本的に。

 

まずコンピュータは、直列処理というものを行っている。

これは、簡単にいうと「1+1」が「2」となる情報処理の仕方で、

プログラムつまり「ルール」通りに計算を行う。

 

ところが、人間の脳は並列分散処理を行っている(※)。

この場合には、「1+1」が「2」になることもあり、

条件によっては「2.5」さらには「3」になることもある。

つまり、必ずしもルールに従って働くわけではないのである。

 

―――このように言うと、何か思い当たる点がないだろうか。

 

そう、脳がこのような働き方をするからこそ、

人間は「創造」することができるのである。

たとえば、「芸術」などというものを生み出すことができるのも、

そのおかげなのである。

 

大きく言って、情報処理にはこの2種類しかない。

つまり、「コンピュータ型」と「人間型」である。

 

さて、言葉の勉強というのはある種の「情報処理」といえるが、

これまでの英語教育というのは、

上の2種類のどちらを原理としてきたのだろうか。

 

―――答えは、「コンピュータ型」である。

 

もうお分かりだろうか。

私たちは人間だ。

それにたいして、「コンピュータ型」の学習方法が取られてきたのである。

無理や無駄が起こらないはずがない。

 

(※)人によっては、頭に「超」を付ける人がいる。

これは簡単にいうと、人間には真似ができない、

つまり「作れない」「複製できない」という意味である。

そのぐらい人間の脳の働きは複雑なのだ。