英語教育の本当の弱点②

2015年3月31日

では、なぜ「声に出して読める」ということが大切なのでしょうか。

 

それは、日本語について考えると簡単に分かります。

 

たとえば、ここに、ひとつの四字熟語があったとして、

もしその「読み」が分からないとすると、

あなたはその四字熟語を覚えて使うことができるでしょうか?

— できないはずです。

 

これは意味が分かるかどうかという問題以前の話で、

言葉というものは、

とにかく、まずは「音」としてとらえることができないと、

頭には入らないのです。

 

頭に入らないのですから、当然、話せるようにもなりません。

 

ここで少し考えてみて下さい。

 

国語では、事情はどうでしょうか。

「読み」をトレーニングするのは当たり前ですね。

 

しっかりと「読み」ができないと、

国語力が身に付かないことは“自明の理”だからです。

 

ところが、英語教育ではこの点が大きく欠落しているのです。

 

高校入試などへのリスニングの導入によって、

この問題は多少は解決されて来ていますが、

それでもやはり文法項目について知識を詰め込むのが優先され、

たとえば、規則動詞の過去形が(書けるのに)正確に読めない等、

基本的な音読能力が身に付いていない例が多数見受けられます。

 

たとえば、私も時折電車などで中学生・高校生が単語を覚えている

のを見かけることがありますが、口真似をしながら覚えている姿を

見たことはほとんどありません。

 

大抵は、赤いシートで意味を見たり隠したりしながら、

黙々と覚えるというパターンです。

 

――― 皆さんはどうでしょうか。

皆さんの中にも、自分で勝手に頭の中でカタカナで音を作って

覚えている単語が、たくさんある人がいるのではないでしょうか。

自信を持って読み上げることのできない英単語が、

たくさんあるのではないでしょうか。