英語教育の本当の弱点③
2015年4月6日
言葉は「音」です。
「音」に意味が付けられたもの、それが言葉です。
ですので、言葉を学ぶには、まずその音をキャッチすること、
つまりリスニングが重要で、さらにその、
耳でつかんだ音を「お手本」にして、
自分自身が口に出して読み上げることが大切になります。
最近「音読」ということがよく言われますが、
それは「必ず」リスニングとセットになっていなければなりません。
「聞いて、読む」
――― この単純なトレーニングが十分に行われないと、
言葉は身に付きません。
とくに、会話を行う場合には、この点が決定的に重要になります。
驚く人もいるかも知れませんが、
音にたいして鋭敏な感覚のある人は、文法を全く知らなくても、
正確で流暢な英語が話せるようになります。
私も、これまで日本国内で勉強して、
仕事で使えるレベルにまで英語をマスターした人に
何人か会った事があり、
一緒に仕事をしたこともありますが、彼(彼女)らのほとんどは、
高校時代に文法がほとんど分からなくなった、と告白しています。
では、彼(彼女)らはどのようにして
英語を使いこなせるようになったのでしょうか?
---その答えは「徹底的に聴いて真似した」。
ただそれだけです。
信じ難いでしょうが、
これが英語をマスターするもっとも効果的な方法なのです。
文法解説を聞き、文法演習を行うというのは最悪の方法で、
まず、脱落する人が多数出ますし、たとえ生き残ったとしても、
頭の中で“余計な回路”が働くようになり、
綺麗な英語を書いたり、話したりすることが極端に難しくなります。
じつは、私は数人だけ、文法をガッチリやったにも関わらず、
英語がある程度話せるようになった(例外的な)人たちを知っています。
しかし、彼らがどのようにして話せるようになったかというと、
結局のところ、「徹底的な音読」でした。
あと一つ、じつは彼らはある国立大学の工学部工学科の
極めて優秀な研究者たちでした。