私の英語学習史(2)
2014年4月6日
◆英検2級に落ちる
3回生になって、方向性も方法論もないいい加減な勉強がどのような悲惨な結果を生むかを思い知らされた。
半分ジョ~ダン(=半分真剣)で英検2級を受けたらコロリと落ちてしまったのである。
そのすべり方があまりにあっけなかったのでしばらくの間は「?」マークだけが頭の上で点滅していた。
皆さんもご存じの通り英検2級といえば高校卒業レベルである。
1級はともかく、2級というと語学オンチの私たちの間でも通ったといううわさ話は比較的よく耳にする。
これに、いかに受験英語出身とはいえ一応はまともに英語を勉強した大学3回生のお兄さんが、なすすべもなくストンと落ちたのだから、
そのショックは容易にご想像していただけると思う。
敗因はなんといってもリスニング
そして英語での質疑応答テストの失敗が大きく響いた。
日常的な表現の知識も不足していた。
ようするにゼ~ンゼン歯が立たなかったのである。
2級ぐらいなら受験時代の”貯金”がモノをいうだろうとタカをくくっていたのだが、
これがそもそもとんでもない思い違いだったのだ。
この”事件”で、さすがに頭の鈍い私も「なんかおかしいゾ」と思いはじめた。
遅まきながら、
ようや受験式の勉強方法では実用英語には通用しないのではないかという疑問がわいてきたのである。
実用英語と受験英語の勉強方法の違いには早く気付いた方がいい!
私の場合にはあまりに遅過ぎた。
◆模索
英検2級に落ちてから勉強方法について真剣に考えるようになった。
それまでの挫折経験からつぎの2つのポイントに気付きはじめていた。
- 分的/固定的な知識じゃダメ。
すべての表現は実際に使われる形、
つまり文の形で覚えていないと実戦ではまったく役に立たない。
いくら問題文のカッコを埋めることができてもだめである。 - 頭だけで覚えた知識もダメ。
ちょうどスポーツ選手が無意識のうちに素晴らしい動きをするように、
口と頭がしっかり連動し、脳ミソが「これを言え」というだけで口が「ヘイ!」と勝手に動いてくれるような状態でないと
絶対に英語は話せない。
いくら「主語が3人称単数のときは・・・」なんてエラそうに言ったって
実戦では何の役にも立たない。
そのときの私には言語習得のメカニズムをこれ以上深く追求することはできなかったが、
このような考察を経て、使えそうな「戦術」がひとつ浮上してきた。
◆音読開眼
私が自らの挫折の山から見い出した「戦術」
それは「音読による例文の暗記」であった。
「な~んだ、そんなことか」皆さんのタメ息が聞こえてきそうである。
しかし、ホネの髄までバリバリの受験生であった当時の私にとってこれは画期的なことだった。
なにしろ、それまでは英語の勉強というのは英文中のカッコを埋める、
あるいは単語を並べ替えるものだと思っていた。
だから、声を出して英文を丸ごと暗記するなんてとてもムダな、
非科学的なことのように思っていたのである(これは多分に誤解”なのであるが・・)。
しかし、実用英語となると話は180度違う。
声も出さずに実用英語をマスターしようというのは、
サメのウヨウヨいる海にマグロの切り身を抱いて飛び込むようなものである。
絶対に生き残ることはできない。ここでようやく私はその違いに気付いたのである。
まず買ってきたのは日常会話の表現集であった。
数は300ぐらいだったと思う。
これを、例文をノートに写してひたすら音読していった。
また簡単な英語のエッセイの本、そして大学1年のときに買って”お蔵入り”していた中級レベルの英会話テキスト(テープ付き)も勉強した。
本文をしっかり音読すると同時に、
重要な表現をノートに書き出し、これもしっかり音読するようにした。
これらの勉強をひと通りこなすとなんとなく手応えが感じられ、
ようやくまともな英語力がつきはじめるのを実感した。
音読することに気付き、これを勉強の柱にしたのは正解である。
しかし、リスニングの重要性にはまだ気付いておらず、
非常に効率の悪い勉強をしていた。
...To be continued