公開講座フェスタ
2014年11月11日
11月6日(木)に、大阪府主催の公開講座フェスタという催しで、講演を行いました。
演題は「英文法はどこまで必要か」―英文法シンプル化への挑戦―でした。
申し込み者は80名強で、参加率も80%を越え、担当者によるとかなり高い数字だということでした。
この講演で、私は公の場で初めて、
現在英語教育界で起こりつつある巨大な発想転換(パラダイム転換)についてお話しし、
私の開発した文法についてing形を例に出して説明しました。
ここでごく簡単に内容をご紹介しておくと、パラダイムの転換というのは、
「コンピュータ型の学習」から「脳型の学習」への転換と言う意味で、
これは情報理論的には、「直列処理」から「並列分散処理」への転換と言えます。
ちょうどタイミングの良いことに、この8月初旬にIBMが「脳型コンピューター」を開発したという記事が、
米国の科学誌「サイエンス」で発表され、大きな話題となりましたので、
このニュースを引用しながら具体性をもってお話しすることができました。
http://matome.naver.jp/odai/2140745860217712801
また、ing形については、
これまで「進行形・動名詞・分詞構文・分詞形容詞・補語・目的語・現在分詞の後置修飾」など
10前後もの文法項目として分類されていたところを、
新しい英語のとらえ方では「進行形」ぐらいしか必要がなくなるという点を、
実例をあげつつ、横断的に説明しました。
今回の講演は一般の人向けであるにもかかわらず、ある意味でとてもハードな、
理論的な解説も入れた内容でしたのでかなり心配していました。
しかし、いざフタを開けて見ると思いのほか盛り上がり、講演の後に活発な質疑応答が30分、
さらにその後も7人ほど熱心な方が会場に残って、私と30分ほど立ち話をするという展開となりました。
下に、講義の後に行ったアンケートの回答をいくつかご紹介します(ほぼ原文のままです)。
●素直に言葉に向き合う姿勢を学べた。何故「文法」が分からなかったのか全く理由がわからないままでいた。
今日、何故かという原因がわかりすっきりしています。
●説明が非常にわかりやすく、おもしろく拝聴しました。
●わかり易く納得・共感できる。過去何年かの公開講座フェスタの講座の中で最高。
簡単なことをわざわざ難しく説明する先生が多い中で、具体的・実践的で良い。
●教える事は「努力させる事、困らせる事」が私達昭和時代の教育でした。
先生の話しを聞くと、逆に「分からせる→安心し、好きになれる」と全く真逆であると感じました。
●英語学習の今までと構造の転換が興味深かったです。
英語にとどまらず、人間の脳についてなど新しい見方にふれ、有意義でした。「現代」を感じる講演でした。
他にも60近い回答をいただき、そのどれにもとても励まされましたが、とくに上の4つ目の感想は、
learner-friendly((学習者にやさしい)を追求してきた私にとっては、非常にうれしいものでした。
今このブログを読んで下さっているあなたにも、いつかご紹介できる日が来ることを楽しみにしています。
※英語にたいする人間の潜在的な能力は、これまでの 常識の2~3倍程度はあります。
ぜひ自分の可能性を信じて英語の学習を続けて下さい。
池田和弘