「天空の城ラピュタ」(Castle in the Sky)

2014年9月2日

天空の城ラピュタ DVDの表紙より

先日、ジブリ(Ghibli)の「天空の城ラピュタ」を英語版で観た。

大学の説明会で使用するために、適切なシーンを探していたのである。

 

―――とはいっても、初めからそれは最後のシーンだと分かっていたわけだが、

“役得”ということで全部観てしまったのである。

 

もともと、私はRaputaが好きだった。

 

漆黒の空から静かに降りてくる少女、

その少女を苛烈な戦闘で守り切ろうとする奇怪な形状のロボット、

そして、これまたとんでもなく迫力のある盗賊のおばさん、

やたらに長いのに何故か覚えたくなる不思議な少女の名前。

 

―――そして「バルス」。

 

音楽も素晴らしい。

清々しさの中に切ない哀愁を感じる名曲だ。

 

さて、英語で観るラピュタは格別であった。

 

以前にも、タイニックのテーマ曲「My heart will go on」の歌詞についてお話ししたことがあるが、

英語には、日本語にない独特のパワーがある。

 

それは論理明快な文構造から生まれるのかも知れない。

あるいは、使用される言葉の意味自体に英語特有のエネルギーがあるのかも知れない。

 

映画を観終わったあと、私は、最後のシーンを編集し始めたが、

気が付くと自然にセリフ(lines)を真似しようとしていた。

 

パズーが〝Stop!”と叫ぶ、

シータが〝No matter what he says, he means to kill us anyway.”と叫び返す。

 

―――英語が生きている。

 

観る者を有無を言わせずに巻き込んでいく。

「受験参考書」の例文には決して感じられない「命」が宿っている。

 

ラピュタは日本語版も素晴らしい。

しかし、一度この英語版を観てしまうと、日本語版が観辛くなる。

それほどに、英語はこの作品に合っている。

 

編集を幾度も繰り返し、字幕(subtitles)を入れ(※)、

説明会の限られた時間に合わせてようやく納得できるものができたとき、すでに陽は傾きつつあった。

 

私は素材をMP4形式で保存すると、主題歌「君をのせて」を数回聴き、

研究室を後にした。

説明会で使用する素材の準備は、何度やっても気疲れする。

 

エレベータに乗って一階まで下り、建物を出る。

ふと空を見上げると、そこには透き通るように青い空に、

少しオレンジかかったすじ雲がいくつも浮いていた。

 

池田和弘

 

(※)残念ながら、英語版DVDのラピュタの英語字幕はメチャクチャである。

どうしてこの名作に、このような所業をするのか、

なぜ誇り高きジブリがこれを放置したままにしているのか、私にはまったく理解できない。

日本の英語の学習者のためにも、世界の非英語圏の学習者のためにもなんとかして欲しいものである。

 

画像出典:  天空の城ラピュタ「 DVDの表紙」