国内で英語をマスターした人の勉強法(2)

2014年12月8日

池田和弘

前回に引き続き、国内で実用的な英語をマスターした人の勉強方法についてお話します。

 

彼女の取った1つ目の勉強方法は、まず映画やドラマを日本語で観て、イメージをしっかりとつかみ、

そのあと、自分が身に付けたい、使いたいと思った表現を(日本語と比較しながら)徹底的に練習して覚えると言う方法です。

 

 

もうひとつの方法は、「ディクテーション」でした。

 

それも、教科書的な文章のディクテーションではありません。

映画やドラマなどの“生の英語”をダイレクトに素材として使ったということです。

 

これは言うのはやさしいですが、実行するのはそう簡単ではありません。

しかし、私が「これは尋常ではない」と思ったのは、彼女はそのディクテーションを画面を見ずに行ったというのです。

つまり、耳だけで音を聞き取り、ノートに書く練習をしたというのです。

 

理由を尋ねると、画面を見てしまうと(何度も観ているので)どうしても何を言ったか思い出しやすくなるので、

見ないようにして行ったということでした。

 

この徹底ぶりには、唖然とするしかありませんでした。

 

しかし、妙に納得もできました。

これだけのことを続ければ、確かに十分に仕事をこなせるレベルになるだろう、と。

 

ちなみに、彼女は中途半端なネイティブの文章であれば、文字通りズタズタに訂正してしまうだけのセンスを持っています。

 

これは、彼女の英語力そのものが高いという点ももちろんあるのですが、

やはり論理思考力や文章にたいする感性がきわだって優れているからです。

 

では、その思考力や感性はどこから来たのでしょうか。

答えは、やはり「国語力」です。

日本国内という限られた環境で英語を使えるレベルにするには、母語(日本語)をうまく活用することが必須なのです。

 

これまでの私の教授経験でも、「国語力」(※)がある生徒と言うのは、たとえ英語で困っていても、

比較的容易に助け出すことができます。

たとえば、英語の偏差値が45~50程度でも、国語力があり、本人にやる気があれば、半年もあれば60ぐらいにはできます。

 

 

最後に、このたび彼女と話していて、大きくうなずいたのは、

「英語はもともと好きでしたので中学ではそれほど勉強に苦労はしませんでしたが、

じつは高校で一度落ちこぼれかけました」という下りでした。

 

私は反射的に「文法ですね?」と聞き返しましたが、彼女の答えは・・・察しがつきますね。

 

いずれにせよ、彼女の勉強方法はとても実践的ですので、ぜひ参考にしていただきたいと思いますが、

初心者の人やすでに英語でとても困っている人が、いきなり“生の英語”と取り組むのはなかなか難しい面もあります。

また、文法となると、大学レベルの教材でもまだ5文型や分詞構文などといった古い発想の文法が使われているケースが多いです。

 

これらの点を踏まえ、英語の初心者や英語で困っている人が「復活のための一歩」、「自信をつけるための一歩」、

さらに世界と伍することのできる「未来への扉を開く一歩」を確実に踏むことのできる教材群の開発と普及、それが私の夢です(※)。

 

(※)近々に、「リッスントーク」という、強力な英会話教材を発表する予定です。ご期待下さい。