人間の脳の働きと、言葉の学習(1)
2014年6月15日
一般にはあまり知られていないが、
人間の脳は(一般の)コンピュータとは異なった働きをしている。
何が違うかというと、情報の処理の仕方が違うのであるーーーそれも、根本的に。
まずコンピュータは、直列処理というものを行っている。
これは、簡単にいうと「1+1」が「2」となる情報処理の仕方で、
プログラムつまり「ルール」通りに計算を行う。
ところが、人間の脳は並列分散処理を行っている(※)。
この場合には、「1+1」が「2」になることもあり、
条件によっては「2.5」さらには「3」になることもある。
つまり、必ずしもルールに従って働くわけではないのである。
―――このように言うと、何か思い当たる点がないだろうか。
そう、脳がこのような働き方をするからこそ、
人間は「創造」することができるのである。
たとえば、「芸術」などというものを生み出すことができるのも、
そのおかげなのである。
大きく言って、情報処理にはこの2種類しかない。
つまり、「コンピュータ型」と「人間型」である。
さて、言葉の勉強というのはある種の「情報処理」といえるが、
これまでの英語教育というのは、
上の2種類のどちらを原理としてきたのだろうか。
―――答えは、「コンピュータ型」である。
もうお分かりだろうか。
私たちは人間だ。
それにたいして、「コンピュータ型」の学習方法が取られてきたのである。
無理や無駄が起こらないはずがない。
(※)人によっては、頭に「超」を付ける人がいる。
これは簡単にいうと、人間には真似ができない、
つまり「作れない」「複製できない」という意味である。
そのぐらい人間の脳の働きは複雑なのだ。