中高一貫教育の可能性
2015年2月2日
最近は、私立校のみならず、公立校でも中高一貫教育が試みられつつある。
色々と難しい点が多々あるだろうが、これは基本的には非常に良いことだと思う。
当たり前のことだが、「受験」がないからだ。
英語教育関係者なら一度は経験があると思うが、高校に入る際に受験があると、
非常に無理な詰め込み教育をせざるを得なくなる。
たとえば、発音やフォニックスからしっかりと指導し、「横割りのカリキュラム」なども取り入れて、
無理なく伸び伸びと生徒を育てたいと思っても、3年には「受験モード」に入らざるを得ず、
(時に首をかしげたくなるような内容の)入試問題を解かせざるを得なくなる。
英語専門の私塾においても同様で、無理や無駄のない丁寧な指導で育て上げ、
中2年生の秋に英検準2級に合格させ、その後中3で英検2級、
さらには高1の終わりにはセンター試験で160点前後を取らせることができると分かっていても、
生徒を進学塾に取られてしまう。
・・とはいえ、私が見るに、これまでの中高一貫には、
単に「詰め込みの前倒し」でしかないような面もあったように思う。
詰め込みを前倒しするだけなら、一貫にする意味がない。
これだと単に「6年間の“突貫”教育」である。
しかし、こういったうれしいニュースもある。
大阪府内で公立の中高一貫校(市立咲くやこの花中・高校)が、
しっかりとした成果を出し無事卒業生を送り出した。
じつは、私はこの学校に興味があってネットで調べたことあるのだが、
じつにユニークな科目構成、カリキュラムとなっていて、感心したことを覚えている。
市立と言えば、生徒を分け隔てなく入学させる。
つまり、一歩間違えると家庭・人格を破壊しかねない、「お受験」がない。
良いこと尽くめとはいかないだろうが、価値のある試みではないかと思う。
(画像: 大阪市ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/)