ふとした想い ”高校生には受信文法が必要”
2018年11月16日
最近は、高大接続のため系列高校の普通授業にも入っているのですが、
ここでは、予備校や大学とはまた異なる技術が必要かと感じています。
受験生や大学生、さらに言うと社会人の方々は、
文法はじめとして、語彙の増強や発音など、苦労した人がいるため、
「話が通じやすく」、私の伝えたい点を素早く理解して喜んでいただけるのですが、
そういった経験がなく、かつ、とくに進学に対する気持ちもない生徒に対しては、
繊細かつ周到な誘導が必要です。
これは、私の守備範囲とは少しずれているな・・・と思いつつ、
笑顔が見たい為に、工夫を重ねる日々です。
現在分詞の形容詞的用法、後置修飾。
こんな言葉を聞くと安心するのが、今の日本の高校生です。
実際、教科書・参考書に書いてありますし。
しかし、もちろん、これらの語句を覚える必要は一切ありません。
予想はしていましたが、今の英語教育にかなりの捻れが生じているのは
間違いないかと思われます。
ところで、先日、ある超進学校のゼミでいくつかの質問をする機会がありました。
その中でもっとも興味深かったのは、
文法は情報の“受信のため”にあるか、“発信のため”にあるか、というものでした。
この質問に対して、なんと、8名中8名が、“受信のため”と答えたのです。
有名大学の外国学部の部長が“作るため”にと答えたにも関わらず。
そこで、私はさらに突っ込んで、受信の場合に必要とされる文法と
発信のために必要とされる文法は、異なるか同じか、
異なる場合はどうことなるか質問しました。
これには、流石の俊英たちも大いに頭を悩ませ、盛んに話し合っていました。
答えは、もちろん、前者の方が後者よりもはるかにシンプルになるという事です。
初めから、「文法的に正確な文章」が与えられているのですから。