規則と規則性

2014年6月28日

言葉には規則がある。つまり、文法だ。
だから、英語を学ぶ場合にも文法が大切だ。
--そう主張する人に限って規則と規則性の違いが分かっていない。

人間型学習法(つまり並列分散処理の発想にもとづく学習)では、
基本的に規則は存在しない(※)。
規則性があるのみだ。
一見、規則のように見えるものでも、
それは単にそのパターンの出現頻度が極めて高いからだけに過ぎない。

規則性は、文字通り「その傾向がある」というだけのことなので、
決まったものではない。
つまり、変化する。(規則は変化しない)

言葉の場合、この考え方はとくに有効だ。
なぜなら、言葉は変化するからである。

また、「例外」が生まれることも理解でき、
人間の学習がとてもダイナミックなプロセスであることがイメージできる。

これらすべてが、教え方や教材の作り方に影響を与える。
つまり、人間型の情報処理(並列分散処理)の視点を持つと、
同じものが全く異なる視点から見えるようになるのである。

(※)「基本的に」というのは、人間の脳には一定のプログラミングが
なされているという点を否定することは難しいからである。
ノーム・チョムスキー博士が探ろうとしたのは、おそらくこの点なのだろう。
しかし、この辺りは言語の深層部分で、
単に文法的なものというよりは脳の認識とも深く関連しているため、
英語教育においては「すでにあるもの」として扱う方がベターである。