★効果的な英語学習理論(1)

2014年4月8日

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★特に英語関係者向けに記述したものです。

英語にはルールがある。だから、そのルールについて勉強し、使えるように演習をしないと、英語は使えるようにはならない

 ―――これがこれまでの英語学習法の根本にあった考え方です。

 

  しかし、現在、この考え方を根底からくつがえす、「英語学習革命」とでも呼ぶべき教え方が少しずつ広がりつつあります。

  その教え方では、「ルールを学ばなくても、ルールは習得され、使えるようになる」と考えます。

つまり、180度の発想転換です。 コペルニクス的転換といっても良いでしょう。

  このような英語学習方法では、「文法の障壁」が無いため、英語の学びやすさが劇的に変わり、文字通り、だれでも気軽に英語の世界に入っていくことができます。

  さらに、これまではせっかく苦労して文法を学び、大学入試に合格しても、実用英語のためにまた一から英語を学び直す必要がありましたが、この方法で学ぶと、身に付けた英語がそのまま「使える英語」になっていきます。

  つまり、これまで半世紀以上にわたって「受験英語」「実用英語」を分断してきた“垣根”が無くなるのです。

 

 夢のような話ですが、私は実際にこの考え方にもとづく指導体系を開発し、大学受験予備校、つまり“受験英語の総本山”で10年間にわたって実践した経験があります。

 予備校というところは、大変厳しいところで、生徒へのアンケート結果が悪いと、早い人は1年(通常の契約期間)を待たず、半年でクビになります。

 そんなところで、上位レベルから下位レベルまであらゆる層の生徒を10年間にわたって教えたのです。

  皮肉なことに、ある大手予備校で文法講座を持ったときなどは、150人は入ろうかという大教室で生徒があふれたことがありました。

  文法を教えず、四択問題さえまともに解かせない授業であったにもかかわらず。

 

  この教え方のベースになっている理論は、並列分散処理(parallel distributed processing)という情報理論です。

これにたいして、従来の教え方は直列処理serial processing)という情報理論にもとづいていて、両者は対極にあります。

   直列処理はコンピュータに使われていますが、並列分散処理は人間の脳の働きを模した理論です。

   英語を学習するのは人間ですので、当然ながら並列分散処理にもとづく学習方法の方が、はるかに学ぶのがやさしく、高い効果を発揮します

 

  一般に「英語嫌い」が生まれる原因は、文法です。とくに高校生になると文法は無闇に複雑化するため、多くの生徒が脱落します。しかし、並列分散処理の考え方を応用した学習方法では、文法を教えないため、英語を学ぶハードルが著しく低下します(※)。

  このため、それまで英語で苦しんでいた生徒が、突然目覚めて、偏差値45辺りからあっという間に60を越えるというようなケースが続出します。私が対面で受験生を教えたのは、今のところ、2012年3月に送り出した生徒が最後でしたが、このときには、センター試験100点程度で低迷していたふたりの生徒を、それぞれ早稲田大の文学部大阪市立大の工学部に合格させています。

  (※)学ぶべきことが完全に“ゼロ”になる訳ではありませんが、これまでの文法に比べると、100分の1以下の分量しかありません。